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失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫)

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参照データ

タイトル失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者プルースト
販売元岩波書店
JANコード9784003751138
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

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17.06.18
本巻は、『失われた時』のなかでも、ひとつの山場をなす巻であるだけに、読み応えがある。
重要人物も、つぎつぎに姿をあらわす。

・「私」の祖母の女学校時代の友であるヴィルパリジ侯爵夫人。
・「私」の大の親友となる貴公子サン=ルー。
・当代ナンバーワンのダンディーにして〈怪人物〉のシャルリュス男爵。
・花咲く乙女たちのひとりで、「私」の恋人となるアルベルチーヌ。
・プルーストの芸術観を代弁する画家エルスチール。

最初の三人はそれぞれ、「私」の憧れの的であるゲルマント公爵夫人の「育ての親」「甥」「従兄弟」であり、プルーストの皮肉の利いたペンで、個性的に描かれる。

花咲く乙女たちが登場する記述も――最初は《どの少女もみな美しい》(328ページ)が、一人ひとりの区別はつかない。
それがしだいに、《ふっくらとしたバラ色の頬と緑色の目》をもった少女とか、《日焼けした褐色の顔に鼻筋の通った娘》とか、《「ポロ帽」の下にきらきら輝くからかうような目》をした少女……に分離してゆく(333〜4ページ)。
そしてそのなかから、アルベルチーヌがくっきり姿をあらわしてくるくだり(407ページ)は、何度読んでもこころ魅かれる。

訳者は解説でいう。
《プルーストの小説の醍醐味は、行動やできごとにあるのではなく、それを考察する精神のドラマにあるのだ。……注意力が張りつめている出だしの進行に時間がかかり、習慣が力をとりもどす後半に物語のスピードがあがるのは、精神のなかを流れる時間の速度を反映しているからである》(670〜1ページ)

精神のドラマを味読すること――これこそが、プルーストの長大な小説を読んでいくときに心得ておくべき要諦だ。

訳者解説で指摘される、「フラン」から「円」への換算法の変更も興味深い。
これまで訳者は、鹿島茂『馬車が買いたい』(白水社)が提唱する「1フラン=1000円」を採用してきたが、今後は「1フラン=500円」で換算すると、宣言している。

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