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春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1 (光文社文庫)

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参照データ

タイトル春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1 (光文社文庫)
発売日販売日未定
製作者岡 潔
販売元光文社
JANコード9784334741464
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

15.08.12
まず、何といってもお名前がいい。
簡潔で虚飾なく、孤高で端正で毅然としている。

そして「春宵」と「十話」という組み合わせ。
いかにも昭和の時代の気分で、未知の読者にはそっけないかも知れないが、
開けば、まず読み切ってしまうことうけあい。
曰く、
「日本語は物を詳細に述べようとすると不便だが、簡潔にいい切ろうとすると、
世界でこれほどいいことばはない。簡潔ということは、水の流れるような勢いを
持っているということだ」
――まさしく、岡自身の文章について述べたよう。

光の本質の分析を文学に応用して、「波動型」か「粒子型」かと論ずるところなど、
寺田寅彦を彷彿とさせる(だが岡の好みは寅彦より漱石より、断然芥川というのも面白い)。
また、現代においても“理系のエライ先生なのに古典や芸術の素養がある”という人は
少なくないが、岡のばあい、古典や芸術は、「素養」ではなく、「覚悟」。
つまり、身を飾るための手段ではなく、生き方そのもの、ということがビンビン伝わる。
そこが、この本のすごさ。

だからこそ、自分の専門である数学についても矜持をもって、かく言う――
「語学と一致している面だけなら数学など必要ではない。それから先が問題なのだ。
人間性の本質に根ざしておればこそ、六千年も滅びないできたのだと知ってほしい」

さらに、我々を震撼させるのは、次のような言葉――。
「数学と物理は似ていると思っている人があるが、とんでもない話だ。
職業にたとえれば数学に最も近いのは百姓だといえる。種をまいて育てるのが仕事で、
そのオリジナリティーは『ないもの』から『あるもの』を作ることにある。
……これにくらべて理論物理学者はむしろ指物師に似ている。人の作った材料を
組み立てるのが仕事で、そのオリジナリティーは加工にある。
……わずか三十年たらずで一九四五年には原爆を完成して広島に落とした。
こんな手荒な仕事は指物師だからできたことで、とても百姓にできることではない。」

14.04.27
高校の現代国語だったか、通信添削のZ会の国語だったかに出ていた大数学者 岡潔先生が書かれた有名な文章;「私は数学なんかをして人類にどういう利益があるのだと問う人に対しては、スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだと答えて来た。」・・・これが読みたくて岡先生の「春宵十話」を買ったが、当時の私の人生経験ではこの本の深いところを理解できるだけの力がなかったと思う。その時には読めていたつもりだったのだろうけど。

この本が復刻されたことを知り、早速買い求めた。28年前に読んだ文章を覚えているはずはなく、ただ上記のスミレの件は読んですぐ思い出した。

今回、私も45才になって、確かに28年前と比べると読めるようになったが、それでもこの本というか、岡先生の心眼はあまりに透徹しているため、十分に読みとれた自信がない。この本を十二分に読み尽くすには10年早いのだろう。

岡先生は情緒を育てることの大切さを繰り返しおっしゃっている。そしてこの本自体が情緒溢れている。そもそも題名からしていい。春の宵のなんともいえぬすがすがしさを感じさせる題名。

一つのことに突出して秀でた人は人間の大きさが違うと思った。0

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